ジョニーウォーカーブラックラベル(ジョニ黒 古酒)

1970年~1975年のジョニーウォーカーブラックラベル。
写真の一本はその時代のものです。
 
推定する根拠はウイスキー特級表示と輸入元が三菱商事大阪支社というシールからです。
 
この頃は今ほど世界中でウイスキーが飲まれていなかったので、良い原酒をふんだんにつかっているせいか、どの古酒を選んでも(保管方法が良ければ)実に旨いです。
 
この時代はジョニーウォーカーは、レッド、ブラック、スウィングの三種類で展開していました。
だからかもしれませんが、その当時のブラック、スウィングには、現在のゴールド、プラチナム、ブルーに使われるような高級原酒が惜しげなく使われているはずです。
 
この古酒を今週中に開栓しますので、ぜひ飲みにきてください。
おひとり様一杯限定、45ml(いわゆる2フィンガー)で600円です。
 
大卒初任給が二万円~三万円(ぐんぐんGDPが伸びたり、オイルショックで激震が走ったりする時期なので幅を持たせて書いています)。
ジョニ黒は一本一万円の大変高価なウイスキーでした。
 
誰かが不当に利益を得ていたんでしょうか?
いえいえ、そうではないと思います。
少しの間、昭和のウイスキーにまつわる経済学についてお付き合いください。

当時はウイスキー特級の輸入ウイスキーには220%という関税がかかっていたんです。
関税という名の輸入障壁ですね。
今は特別なウイスキー以外は全品非課税です。
しかも当時は円ドルレートで360円(数年後に308円に切り下げられさらに完全変動相場制に移行しました)だったから、現在の貨幣価値に置きなおしてざっくり計算すると6倍~8倍くらい高く仕入れることになるんですね。
だから、おそらく当時の洋酒輸入部門は「赤字にならなければいいや、俺が好きでやってるんだ」という感じでやっていたんだと思います。
ウイスキー特級時代とは、こういう時代でした(ウイスキー特級は1989年まで続きました)。
先進国で世界初の女性首相サッチャーさんが来日して、この輸入障壁を取り払わせて、ここから現在の洋酒天国が始まるんです。

この時代を振り返ってみますと(私は中学生~高校生でした、そういう時代があったのです(笑))、東京の消費者物価が世界一と報道され、銀座で初めての歩行者天国が実施され、大阪万博が開催されました。

さらに思い出してみると、日清からカップヌードルが売り出されたのがこの時期です。
森永の小枝(チョコレート)もこの時期です。
少ない小遣いの中から、友達と割り勘で買って食べてみた記憶があります。

沖縄が変換され、田中角栄が首相になり、上野動物園にパンダ(ランラン、カンカン)が来たのもこの時代です。

その直後に第一次オイルショックが来て、日本中が大混乱しましたが、そのおかげで省エネ技術と石油備蓄がどんどん進みました。

私的な記憶とリンクさせると、暗記ペンというものが思い起こされました。黄色とピンクの蛍光ペンでした。今の一般用語でいうところのマーカーですね。
ちょうど高校二年生の終わりごろで、そろそろ受験というものも意識し始めるころにこの暗記ペンが発売されたので、クラス全員がこれを持っていたんではないかと思います。
それくらい画期的な新商品でした。

日本全体に活力があり、私にも夢と希望があふれていた時代でした。
そのころのことに思いを馳せながら、マーリンズバーでのんびりとお酒をのみませんか。

私的な思い出話に付き合っていただきありがとうございました。

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Merlin’s Bar

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