スコッチウイスキー プレジデント

スコッチウイスキー　プレジデント

2016年08月02日

酒税法により、ウイスキーが特級、一級、二級と分けられていた時代がありました。
これは、1989年に廃止されたのですが、ウイスキー特級の場合輸入関税が、150％～220％という、べらぼうなものでした。
ところが、この時代に海外旅行（どこでもいい、とにかく海外）からの帰りに、ウイスキー、ブランデーなどの「洋酒」を3本まで、無税で持ち帰っていいことになっていました。
だから、ウイスキー好きの人なら、この時とばかりに高価なウイスキーをもってかえります。
ウイスキーを誰かにお土産にあげようと思う人は、日本国内であまり見かけなくて、見た目が良くて、それほど高くないものを持ち込んだわけです。

プレジデントはまさに、後者のニーズにぴったりなので、応接室のサイドボードによく飾られていました。
名前がいいし、デカンターボトルも重厚です。

今回開栓したのは、そういう境遇の一本です。
持ち込み品だからウイスキー特級の表示はありません。
ただ、写真でわかるように、ラベル下部に金色の線が引いてあるので、1980年代。
そして、1980年代後半からはラベルに１２の表示がされているそうなので、1980年代前半に日本に持ち込まれたものと推定されます。

三十数年前のボトルです。
応接間のサイドボードにずっと立てて保存（古酒の場合、こういう保管が良い。箱に入れて何十年も寝かせているとコルクが溶出して飲めない古酒になってしまいますので）されていたものです。
コルクは折れましたが、腐食はなく、味わうに足りる一本と思います。

当店は、希少性故に高価に設定することをしませんので、一杯700円で、皆様とシェアしたいと思います。
ぜひ、三十数年の眠りから覚めた古酒プレジデントを味わってみてください。